研究課題
若手研究
システムの一部のモデルのみが既知である場合の制御手法であるレトロフィット制御に強化学習を組み合わせた新たな制御手法を提案した.具体的には,レトロフィット制御に特有の構造である整流器を保持しながら制御則の学習を行う手法を提案した.これにより,システムの安定性を理論的に保証しつつ,強化学習によって環境の変化に適応する制御が可能になった.提案法の有用性を電力システムを簡単化したモデルに対する数値シミュレーションと,簡単な実機実験によって確かめた.
システム制御工学
一般に,強化学習は環境の変化に適応する制御手法として知られているが,制御系の最も基本的で重要な性質の安定性を理論的に保証することが困難であった.本研究では制御を行う前のシステムが安定であるという事前情報を活用し,レトロフィット制御理論を応用することにより,強化学習による制御系の安定性を理論的に保証することができた.これにより,産業界などでの実用化の際に,学習途中での機器の暴走などを防止することが可能となる.