研究課題
群ロボットに実装するコントローラ(脳)をできるだけシンプルに設計するアプローチは,多くのロボットを扱う群ロボットには欠かせない.本研究では,ヘテロ性に着目し,群ロボットとは別に,目的地まで誘導するロボットを新たに導入し,両者の相互作用を設計することで,群を目的地まで誘導するナビゲーションを実現した.また,群ロボットの数が増えた場合に,どの程度の数まで有効であるかシミュレーションを通じて解析した.さらに,群ロボットを複数地点に分けるシステムに応用した場合,分割度といった指標を導入することで,シンプルかつ効果的な群の分割への応用ができるとわかった.これらの結果は,災害現場や月面など想定外の事象が起こりうる無限定な環境で,群ロボットのセンサや通信機能に不具合が生じた際のシステムとしての応用が期待できる.本研究は自然界のシープドッグシステムに着想を得た群システム研究という位置付けとも考えることができる.犬と羊の行動の理解につながる,という生物学的な意味を有するとともに,ヘテロなロボットの間の相互作用をボトムアップ的に考えるレベルセットの設計にも有効となる.
2: おおむね順調に進展している
研究計画通りに群ロボットのコントローラを設計し,シミュレーションを通じた成果も生まれている.
本研究での自律分散型の群ナビゲーションを実際のロボットシステムへ応用することを考える.具体的には,自律建機群を考え,ダンプトラック群の土砂山と排土場の間の自律的な往復へ適用し,ショベルと連携による土砂運搬作業へ応用する.まずは,シミュレーションにて,建機群の自律行動を実装する.そして,実際の模型建機ロボットでの実験に取り組み,その妥当性を検証する.
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Journal of Robotics and Mechatronics
巻: 35 ページ: 362, 370
10.20965/jrm.2023.p0362