研究課題
若手研究
本研究では,各種ワイドギャップ半導体における衝突イオン化係数をはじめとした高電界キャリア輸送を理論的に解析した.炭化ケイ素・窒化ガリウム・酸化ガリウムのフルバンド構造を考慮したモンテカルロシミュレーションと,解析的なバンド構造を考慮したモンテカルロシミュレーションとの双方を行った.これらに基づき,衝突イオン化係数の振る舞いをバンド構造や散乱レートなどに着目して議論した.
半導体物性
本研究では,各種ワイドギャップ半導体における高電界キャリア輸送特性,特に衝突イオン化係数の振る舞いについて物理的な理解を与えている.また,実験結果や,より負荷の大きい数値計算による結果を,計算負荷をある程度抑えつつ再現するモデルを提示している.これらは,半導体材料物性への理解を深めるという学術的な側面と,デバイスの絶縁破壊特性の予測やその高耐圧化へ向けた構造設計・材料選択のための基礎となるといった実用的な側面との両面において意義のある成果であると言える.