本研究では、超小型衛星による次世代の高速衛星通信の実現に向け、小型・軽量、そして姿勢制御不要な全方位通信が可能な球型フェーズドアレイ無線機を、折り畳み可能な多面体をフレキシブル基板で構成する独自のアプローチによって実現してきた。これまで、小さく畳み、平面に大きく展開する構造が活発に研究されてきたが、アンテナを所望の方向に向ける姿勢制御機構が超小型衛星搭載への課題となっていた。本研究では、アンテナ面積および姿勢制御の両方の課題を同時に解決するため、平面に展開するのではなく、折り畳まれた多面体を立体的に球面に展開する構成をとり、必要となる技術について試作評価を行い有効性を確認した。
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