イオン注入はパワーデバイスを作製する際にも必須の工程であり、得られた横方向拡散量はパワーデバイス設計にも有用である。一般的に、イオン化エネルギーの大きい深いドナーはデバイス応用上不利と考えられており、その研究はあまり行われていなかい。特に、SドープSiC層を電子デバイスに適用した報告は1報に限られており、その理解が進んでいなかった。本研究では、相補型JFETにSドープSiC層を世界で初めて適用し、理論予測通りに論理閾値電圧の変動が抑えられることを証明できた点が意義深い。なお、明らかとなったデバイス特性は他のワイドギャップ半導体におけるデバイス作製の際にも適用可能であるため、その波及効果は高い。
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