研究課題/領域番号 |
21K14226
|
研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
周藤 将司 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 准教授 (00726292)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 木質バイオマス灰 / ジオポリマー / モルタル / 強度 / 流動性 |
研究実績の概要 |
木質バイオマス発電によって生じる焼却灰(木質BA)を用いてジオポリマーモルタルを作製し,各種の試験を行った.ジオポリマーモルタルの配合は,活性フィラーにフライアッシュ(石炭FA)と高炉スラグ微粉末を用いるものとし,石炭FAの一部を木質FAに置き換えて試験を行った.試験では複数の発電所で排出された木質BAを用意し,昨年度までの研究成果をもとに,木質BAの置換率は最大で30%としてモルタルによる試験を行った. 木質BA同士の化学成分を比較すると,元々の木質バイオマスの原料に起因すると思われるバラツキが確認された.流動性については,木質BAの違いによる差はほとんど確認されなかった.また30%まで置換しても,無置換の配合とほぼ同等のフロー値であった. 一方で,強度発現性については,使用する木質BAによって違いがあることが確認された.この要因について,活性フィラーのCaO含有量が関係していることが示唆された.特に,活性フィラーがFAとBAだけの場合,BA に含まれるCaO量が多いほど,材齢28日までの強度発現性が有利な傾向が確認された. 割裂引張強度と圧縮強度の関係を比較した場合,主に低強度帯では用いた木質BAの違いによる傾向の差異は確認されなかった.圧縮強度と静弾性係数の比較では,木質BA同士ではほとんど違いが確認されていないが,木質BAを使用しない配合と比較した場合には,木質BAを使用した方が静弾性係数が大きくなる傾向が確認された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度までにモルタルによる評価を終える予定であった.予定通り,モルタルによる評価はほぼ終了した.
|
今後の研究の推進方策 |
コンクリートによる試験を実施する.強度と耐久性の双方から評価を行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
主に,打合せなどがオンラインで行われることが多く,旅費の執行額が減少したことと,コンクリート試験用のエアメーターの購入を令和5年度に持ち越したことによるものである. コンクリート試験の充実を図るために予算執行する予定である.
|