研究代表者らは,曲線状のすべり線を用い緩み土圧を考慮した切羽土圧の推定理論を提案している。本研究の実施により以下のことがわかった。 1. 提案理論により,摩擦性材料としての地山の性質を考慮した上で切羽土圧が適切に評価できることを確認した。滑り線の傾斜はあまり土圧特性に影響を与えないが,崩壊領域が大きい場合には切羽土圧が大きくなることを示した。 2. トンネル掘削に伴う応力解放を模擬できるトンネル引抜き実験を行い,LiDARやPIV解析を用いて崩壊領域形状の詳細な取得を行った結果,土被りなどによる摩擦抵抗の増加に伴って崩壊領域が局所的に生じることがわかった。この現象を記述可能な微分方程式も構築した。
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