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2023 年度 実施状況報告書

砕波の気泡混入メカニズムと海水組成が及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 21K14257
研究機関一般財団法人電力中央研究所

研究代表者

新井田 靖郎  一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (10817703)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード流体画像計測 / UAV / 深層学習 / 河川プルーム
研究実績の概要

気液界面を通じたガス輸送,熱交換過程に重要な役割を果たすことで沿岸環境に影響を与える気液界面下の乱流について調査するため,実験室で水面を有する流れを対象に高速度カメラを用いた3次元画像計測を行った.また,昨年度実施した風洞水槽における風波発達時の水面の高速サーモグラフィ計測に関連して,海面の微物理過程と大気海洋間の熱輸送過程について解析を行った.一方,実際の沿岸環境においては,河川プルームなどの影響によって水温・塩分・水質が複雑に変動するものの,衛星や船舶を用いた従来の観測技術ではその把握が難しい.そこで本年度は,マルチコプター型無人航空機(unmanned aerial vehicle,UAV)を用いて河川プルームを対象に現地観測を行った.その結果,潮時によって変化する沿岸域の水温分布を空間的に高解像度に観測することができた.干潮から満潮にかけて河川プルームは岸に近づき,満潮から干潮にかけ河川プルームは岸から離れてより沖側に流れていく.ホバリングさせたマルチコプター型UAVによる連続熱画像計測の結果,河川プルームのフロント近傍では密度不安定に伴う鉛直流れが生じており,その影響でフロント部の水温分布に特有のパターンが形成されていることが確認された.また,沿岸環境を予測するための力学モデルにはモデル化に伴う誤差が含まれるため,深層学習LSTM(Long Short Term Memory)を用いて直近の現地観測値との整合をとった上でアンサンブル予測により予測の不確かさを考慮できるようにする手法を開発した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験データや現地観測データの取得が出来,興味深い現象を観察できているため概ね順調とした.

今後の研究の推進方策

実験や現地観測によって得られたデータの解析をさらに進めて論文としてまとめる.

次年度使用額が生じた理由

コロナ対策のため国内出張を控えたので旅費に差が生じた.これらは来年度に国内出張旅費として使用する.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 力学モデルの不確かさを考慮した深層学習による風況波浪予測2023

    • 著者名/発表者名
      NIIDA Yasuo、KIHARA Naoto
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17023

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 海洋画像観測による白波波峰長と残留泡沫のスペクトル特性2023

    • 著者名/発表者名
      WATANABE Yasunori、MINAMI Kent、SARUWATARI Ayumi、BABA Yasuyuki、KUBO Teruhiro、MORI Nobuhito、UCHIYAMA Yusuke、SHIMURA Tomoya、OTSUKA Junichi、NIIDA Yasuo、NINOMIYA Junichi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 電動ウィンチ搭載型UAVによる沿岸水質計測手法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      OKADA Teruhisa、SAKAI Shin’ichi、NIIDA Yasuo
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-18072

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 砕波の影響を受ける津波漂流物の移動過程に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      KAIDA Hideki、KIHARA Naoto、NIIDA Yasuo、TOMITA Takashi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of JSCE

      巻: 79 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.2208/jscejj.23-17037

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Scaling high Rayleigh number natural convection boundary layer statistics: A vertical water tunnel experiment2023

    • 著者名/発表者名
      Nakao Keisuke、Hattori Yasuo、Suto Hitoshi、Takimoto Hiroshi、Niida Yasuo
    • 雑誌名

      Physics of Fluids

      巻: 35 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.1063/5.0166850

    • 査読あり
  • [学会発表] 力学モデルの不確かさを考慮した深層学習による風況波浪予測2023

    • 著者名/発表者名
      新井田靖郎
    • 学会等名
      海岸工学講演会

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公開日: 2024-12-25  

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