研究課題
本研究課題は災害発生直後の道路網に求められる接続性に着目し,道路網のわずかな損傷により簡単に接続性を失うような脆弱な箇所を特定する手法を構築するものである.大規模災害による孤立の生起しやすさ,および広域避難時における道路網がもつ局所的な容量と通過需要の関係を表現した2つの脆弱性指標を定義し,その導出法を構築する.昨年度検討した孤立脆弱性指標を北海道札幌市近郊のネットワークで試算した.札幌市が指定する避難所を対象に評価し,極めて少ないリンク数の破損により孤立が生起する避難所を特定した.この内容はTransportation research Part Dへ投稿し,掲載された.広域避難のためのネットワーク脆弱性を評価する指標では,Gomory-Hu木の特性を利用し,容量が小さなカットとそのカットを通過する避難需要を特定した.提案手法は中部地方の広域ネットワークに適用し,温泉を擁する観光地や工場地帯で道路の容量に対して大きな需要が通過する箇所を特定した.この内容は24 th International Symposium on Transportation and Traffic Theory に投稿し,採択され,この論文はTransportation research Part Bにすでに掲載されている.また,孤立脆弱性を緩和させるネットワークデザイン問題について検討した.この問題が最小費用流問題を拡張させた定式化で表現可能であることを示し,比較的小さな混合整数線形計画問題として求解できることを示した.提案手法は北海道北部のネットワークに適用した.この内容は26th INTERNATIONAL CONFERENCE OF HONG KONG SOCIETY FOR TRANSPORTATION STUDIESに投稿し,発表した.計画した内容は概ね良好に完了したと考える.
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Transportation Research Part D: Transport and Environment
巻: 119 ページ: 103768~103768
10.1016/j.trd.2023.103768
Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. D3 (Infrastructure Planning and Management)
巻: 78 ページ: I_483~I_490
10.2208/jscejipm.78.5_i_483
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10.2208/jscejipm.78.5_i_141