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2022 年度 実績報告書

水環境におけるESBL産生遺伝子の伝達機構の解明と環境保存性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K14274
研究機関山形大学

研究代表者

西山 正晃  山形大学, 農学部, 准教授 (10802928)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード腸内細菌科細菌 / ESBL / 薬剤耐性遺伝子 / プラスミド / 生残性
研究実績の概要

昨年度に実施した研究実績として、 (1) ESBL産生耐性遺伝子を対象とした薬剤耐性の保存性の評価を行った。
(1)では、昨年度の実施項目の結果を踏まえ,blaCTX-Mグループに着目して、耐性菌の保存性と耐性遺伝子をコードするプラスミドの脱離を評価する手法を検討した。供試菌株には、異なるblaCTX-Mグループ(blaCTX-M group-1、blaCTX-M group-2、blaCTX-M group-8、blaCTX-M group-9)を保有する腸内細菌科細菌(Escherichia coliとEnterobacter cloacae)を使用した。
E.coli の標準株であるNCTC13353(blaCTX-M group-1)、NCTC13462(blaCTX-M group-2)ならびにNCTC13463(blaCTX-M group-8)は、培養1日後で生残率が30%以下に減少した。その一方で、E. cloacae であるNCTC13464(blaCTX-M group-9)の1週間後の生残率は25%と他の菌株と比較して高く、菌種による生残性の違いによる影響が確認された。
37℃における標準株の耐性遺伝子の保存率は0から120%で推移し、約1ヶ月経過してもblaCTX-M-group 2を除いて90%程度であった。培養温度を20℃とした場合には、bla CTX-M group 1を除き、いずれの菌株も静置と振とう条件では保存率が低下した(NCTC13462,NCTC13464)。したがって、同一菌株を培養した場合、培養温度が低い場合に耐性遺伝子の欠落が生じると推察された。ESBL産生Enterobacteriaceaeの生残性は菌種によって異なり、培養温度が低いほどその生残率は高くなったが、耐性遺伝子の保存率は逆に低下する傾向が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 山形県の赤川水系から単離した大腸菌の系統発生群とその薬剤感受性2022

    • 著者名/発表者名
      森祐哉,西山正晃,米田一路,渡部徹
    • 雑誌名

      土木学会論文集G(環境)

      巻: 78(7) ページ: III_307-III_316

    • 査読あり
  • [学会発表] 山形県の河川から単離したESBL産生大腸菌の 薬剤耐性プロファイルとジェノタイピング2023

    • 著者名/発表者名
      森祐哉、西山正晃、米田一路、渡部徹
    • 学会等名
      第57回日本水環境学会年会
  • [学会発表] in vitro条件下におけるESBL産生Enterobacteriaceaeの生残性の評価2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤静香、西山正晃、渡部徹
    • 学会等名
      令和4年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [学会発表] In-vitro Experiment to Evaluate Persistence of Coliform Bacteria Producing Extended-Spectrum β-lactamase and Conservation of Relevant Genes2023

    • 著者名/発表者名
      Shizuka SAITO, Toru WATANABE, Masateru NISHIYAMA
    • 学会等名
      The Water and Environment Technology Conference 2023
  • [学会発表] 山形県の河川におけるふん便指標細菌の薬剤感受性2022

    • 著者名/発表者名
      西山正晃、米田一路、渡部徹
    • 学会等名
      第25回日本水環境シンポジウム
  • [学会発表] 都市下水と病院排水から単離したESBL産生腸内細菌科細菌が保有するプラスミドの特徴2022

    • 著者名/発表者名
      盧歓、西山正晃、渡部徹
    • 学会等名
      令和3年度土木学会東北支部技術研究発表会

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公開日: 2023-12-25  

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