本研究では吸湿過程における凝灰岩のひずみと水分状態の関係を明らかにするための実験、吸水過程および吸湿過程による硫酸ナトリウムの水和プロセスの違いと材料破壊への影響の違いを明らかにするための実験、塩類風化のメカニズムの現状の課題についての文献調査を行った。得られた主な結論を以下に示す。本実験で用いた凝灰岩のひずみは相対湿度30%以上の領域ではひずみと相対湿度に対しほぼ線形的な関係にあり、ひずみは含水率よりも相対湿度に依存した。また、硫酸ナトリウムによる結晶化圧力は湿潤方法が異なることによる差は小さく、吸湿過程と吸水過程で同程度の変形が生じることを実験により明らかにした。
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