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2021 年度 実施状況報告書

人体呼吸域内の不均一・非定常二酸化炭素濃度場の定量的理解と室内環境設計の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 21K14306
研究機関九州大学

研究代表者

劉 城準  九州大学, 総合理工学研究院, 特任准教授 (30783394)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード二酸化炭素 / 呼吸空気質 / 数値人体モデル / CFD / 被検者実験
研究実績の概要

本研究では,人体呼吸域に形成される不均一・非定常二酸化炭素濃度場の定量的理解と,数値解析手法に基づく空調設計の高度化を目的とし,人体をコンピュータ上に再現した総合的な数値解析モデルの開発に取り組む.本研究の第1年度の研究成果を以下のように纏める.
(1)肺胞での二酸化炭素-酸素のガス交換モデルの開発に向けた被験者実験の準備:非定常呼吸時の二酸化炭素呼出濃度並びに再吸入濃度を高精度に計測するために,小型チャンバー並びに測定系の準備が完了し,実験参加者及び実験スケジュールの調整を行っている.複数台の二酸化炭素濃度計を同時併用して呼吸域周辺の非定常濃度履歴と不均一濃度分布の高精度計測を歴と不均一濃度分布の高精度計測を行う予定であるが,環境条件(空気温度と湿度の他,室内二酸化炭素濃度)と被験者の代謝量を変化させた計測を実施し,人体の二酸化炭素呼出濃度との関連性を分析する予定である.
(2)非定常呼吸サイクルモデル,呼吸器系内ガス交換モデルを統合した数値解析手法の構築:人体詳細形状を再現した数値人体モデル(Virtual Manikin)に鼻腔・口腔から気管支第4分岐までの詳細形状を再現した数値気道モデル(Respiratory Tract Model)を統合し,新たな統合数値人体モデル(Computer Simulated Person)を作成した.また,人体呼吸を再現を目的とし,既往研究の調査の上,非定常呼吸サイクルモデル(Gupta et al.)を数値人体モデルに統合するためのプログラム作成を行った.更に,人体代謝に伴う発熱を再現するために,人体熱生理モデルを数値人体モデルに組み込むためのプログラムを作成した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の第1年度の研究計画に基づき,実験並びに数値解析の両方に設定した細部課題に対し,目標に向いておおむね順調に進展している.現在,被検者実験の実施を目前にしており,統合数値人体モデルの開発と室内環境解析手法の構築は完了している.

今後の研究の推進方策

(1)環境条件(空気温度と湿度の他,室内二酸化炭素濃度)と被験者の代謝量を変化させた計測データに基づき,肺胞内での二酸化炭素-酸素のガス交換モデルを開発する.
(2)気道内壁面での二酸化炭素の壁面境界条件を正しく設定した上で,人体の熱快適性や人体発熱による微気流の詳細予測を可能とする人体熱モデルを数値人体モデルに統合する.また,呼吸の再現を目的とした非定常呼吸サイクルモデルを組み込み,呼吸に伴う気流・熱・二酸化炭素輸送解析を同時に連成する数値解析手法を確立する.

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公開日: 2022-12-28  

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