本研究は「給水給湯設備の新しい設計用原単位の提案」と題し、事務所・学校・ホテル・住宅といった主要な建物用途を対象に、水使用に関する新しい設計用原単位(単位給水量)を提案することを目的とする。 最終年(3年目)となる2023年度は,建物用途として,幼稚園・保育園、住宅に関して単位給水量に関する知見を整理して考察を加えた成果を、空気調和・衛生工学会の査読付き論文にて報告した。また前年度までに新しい単位給水量を提案した建物用途(総合病院、事務所、小中高等学校)については、その適用性について実務設計者にアンケート調査を実施・データ分析し、その成果についても同様に空気調和・衛生工学会の査読付き論文に投稿し採択されている。学生寮の水使用に関しては、建物全体・大浴場を中心に実測を継続しながら、データ分析を進めた。 研究期間全体を通じて実施した研究成果として、事務所、小・中・高等学校、幼稚園・保育所、住宅、学生寮、ホテルを対象にデータ収集・分析を通して建物の水使用実態を把握するとともに単位給水量を検討した。そのうち、事務所、小・中・高等学校、幼稚園・保育所については新しい単位給水量の提案として、空気調和・衛生工学会の査読付き論文として報告した。また、住宅における水使用、実務設計者の単位給水量に対する所見をまとめ、同じく空気調和・衛生工学会の査読付き論文に投稿し採択されている。さらに、単位給水量は実務設計者が実建物設計時に使用する重要資料であることから、広く議論すべく、2022年度より新たに,空気調和・衛生工学会における特別委員会 建物用途別給水原単位検討委員会(幹事)と,給水給湯設備のデータ整備小委員会(主査)に議論の場を設けた。
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