研究課題/領域番号 |
21K14311
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
山崎 嵩拓 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教 (40814108)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | パブリックスペース / 緑地 / 農地 / 在宅勤務者 / 回帰分析 / 都市計画 / ランドスケープ |
研究実績の概要 |
COVID-19パンデミックにより、世界中でテレワークやオンライン学習が普及した。そのため都市計画は、従来型の通勤・通学を前提とした都市構造から、新たに 「リモート型ライフスタイル」に対応することが求められる。リモートには特有の都市生活上の課題も指摘されていることから、都市計画による対応は喫緊の課題といえる。 2021年度は、国際誌に査読付き論文が掲載された。この論文ではリモートワーカーに焦点を当て、その都市緑地利用の特徴を明らかにした。 2022年度は、この研究を発展させた研究成果が、国際誌npj Urban sustainabilityに「Urban agriculture in walkable neighborhoods bore fruit for health and food system resilience during the COVID-19 pandemic」と題して掲載された(共著論文)。この論文では、パンデミック期間のライフスタイルのうち、緑地利用に焦点を当て、その精神的健康の改善効果を実証したものである。研究の結果、精神的健康の改善効果では、大きな公園の利用(オッズ比: 1.44, p=0.001)よりも、農地の利用(オッズ比: 2.06, p<0.001)の方が効果的であることが明らかになった。 加えて、2022年度までの研究成果に基づき、本研究課題は国際的に発展させるべきものであると捉え、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))に『「ライフスタイルの多様性」を支える公共空間戦略の国際比較研究』と題した研究助成を申請し、採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度は、国際誌npj Urban sustainabilityに「Urban agriculture in walkable neighborhoods bore fruit for health and food system resilience during the COVID-19 pandemic」が掲載され、緑地の種類によって精神的健康の改善効果に違いがあることを統計的に実証した。この成果を踏まえれば、自宅周辺での生活を重視する都市計画として、緑地の面積を広げる戦略よりも、緑地の種類を増やす戦略の方が有効である可能性がある。 この着想は、現在国際的に議論されている「15分都市(15 minutes cities)」といった取り組みと共通点を持つことから、本研究は国際的に展開すべき課題であると考えるに至った。そこで、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))に『「ライフスタイルの多様性」を支える公共空間戦略の国際比較研究』と題した研究助成を申請し、採択された。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画は、日本国内の制度運用に焦点を当て、リモート型ライフスタイルに最適化した都市計画論について考察するものであった。しかし、2021-2022年度における研究成果および、国際的な議論の方向性を考慮し、本研究課題が国際的に発展させるべきものであると考えるに至った。そのため、国際共同研究へと発展させ、本研究課題に取り組む計画である。具体には、以下の研究を予定している。 [A]都市生活者による公共空間の選択可能性指数の開発 [B]選択可能性指数の有効性検証:健康・ウェルビーイングの観点から [C]ライフスタイルの多様性を支える公共空間プランニングの方向性と政策提言
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次年度使用額が生じた理由 |
国際共同研究へと展開するにあたり、国内での研究計画を変更したためである。
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