研究課題/領域番号 |
21K14313
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
似内 遼一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (90795999)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エイジング・イン・プレイス / プレイスメイキング |
研究実績の概要 |
本年度はプレイスメイキング・フォー・エイジングの評価枠組みの構築に取り組んだ。プレイスメイキング・フォー・エイジングには、生態学的視点を導入することが重要であり、高齢者を中心に据え、その周囲の環境が幾レイヤーにも分かれることを理解する必要がある。具体的には、個人と専門職や支援者との間で形成されるインターパーソナルレベル、共通の関心で集まる集団に介入するコミュニティレベル、高齢者が活動する地理的な広がりを対象にした地区レベル、高齢者の生活の形成に関わる政策を扱う社会レベルに分けることができる。コミュニティデザイン学の観点からは、各レイヤーを個別にどう改善するかではなく、それぞれの層の相互作用に着目して評価する必要があることが明らかとなった。 一方で、地区レベル及びコミュニティレベルの評価にも多様なテーマがあることも明らかになってきた。例えば、コミュニティの熟度やコミュニティのキャパシティ、コミュニティエンパワメント、ウォーカビリティ、住宅性能、アクセシビリティ、ウェルビーイング、社会的孤立などが含まれてくる。地区の持続性評価の議論の中でも、大きくは環境・経済・社会に分類できるが、それぞれの中には多様に評価項目が存在する。それらを一体的に扱うことは重要であるが、その項目は選択的であることが重要である。そこで、これらの評価項目の重なりを整理し、前述のレイヤーの相互作用の評価に使うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連する文献が想定よりも多く、理論のもとに評価枠組みの設定に大きく時間がかかり、施策の体系化への取り掛かりに遅れが出てしまいました。
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今後の研究の推進方策 |
上記に示した評価枠組みをもとに、制度の体系化を進め、事例調査を進めていきます。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で、予定していた旅費の支出が執行できず、余らせてしまいました。次年度でも、国際学会の対面参加を予定しており、未使用分はそれに当てることにしています。
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