研究課題
都市部や地方部に存在する都市内の短距離移動における交通課題を解決すると言われている.本研究では,交通課題解決のための社会実装に向けた4つの課題点に着目し,多様な交通サービスの輸送効率性を把握した上で,CASE,MaaS時代における都市内公共交通システムの設計指針を得るための定量的な評価手法の開発を目的とする.本年度および研究機関全体を通じ,課題1から4に対応した以下の具体的成果があった.課題1:都市内公共交通ネットワークの性能評価:公共交通の車両・乗換移動を多次元のグラフ構造として表現した時空間ネットワークを用いた分析環境を構築し,昨今のCOVID-19感染防止施策による減便の状況と,減便前後における人々の移動利便性の悪化の現状を示した.課題2:新しい交通サービスの優位性の把握:デマンド型交通やシェアサイクル,配車サービスといった非定路線の交通手段における,領域の広さと需要密度からもとめる輸送効率性を求めるために高精度な巡回距離の推定モデルの構築を行なった.Linehaul距離に着目したモデルに加え,本年度は領域の縦横比の違いを考慮できるモデルの検証を進め,更なる地域性・空間的な特徴の考慮が可能となった.課題3:既存の公共交通と新しい交通サービスの組合せ方法:都市内交通の最適な資源配分を考えるために,ポイント型の人流データから短距離の都市内移動需要を取得するための分析手法を構築した.本年度では多頻度な交通サービスが駅前の歩行量を高めマイクロモビリティの導入効果を高めることを示した.課題4:既存・新規公共交通サービスの電動化・自動運転化の優先箇所の決定:自動運転化・電動化の効率が高いことが想定される,バス交通の通行が多い道路の把握を行うために,時空間ネットワークを応用し,電動化・自動運転化の効果が高いと考えられる多頻度・短距離のバス路線の経路を可視化・取得する方法を構築した.
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Sustainable Cities and Society
巻: 102 ページ: 105223~105223
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Journal of the City Planning Institute of Japan
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