研究課題/領域番号 |
21K14338
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
木谷 建太 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (50514220)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベトナム / 建築設計技術 / 漢字文化圏 / 造営尺 / 寸法体系 |
研究実績の概要 |
申請者が継続的に研究を行ってきた、ベトナムの独自性を、周辺諸国における建築設計技術との比較研究により、共通点・相違点の分布傾向を導出するとともに、近年、学際的に進められている交易ネットワークによる、人・もの・文化の伝播・受容の研究と合わせ、ベトナムが他の地域との交流を通じて、如何にして建築設計技術を受容し、あるいは取捨選択していったかを解明することが本研究の目標である。 建築は、思想・論理によって体系的に扱われるだけでなく、記録による管理・統制、実用に則した技能・知識・情報の共有などが、時代・地域・国家体制の別により、様々に行われるものであり、実際に建設される建造物は、気候風土や、それに応じた材料の入手の難易、快適に過ごすための工夫などにより、取捨選択がなされるため、これらを、周辺諸国における建築設計技術との比較研究により、共通点・相違点の分布傾向を導出するとともに、近年、学際的に進められている交易ネットワークによる、人・もの・文化の伝播・受容の研究と合わせることによりベトナムが他の地域との交流を通じて、如何にして建築設計技術を受容し、あるいは取捨選択していったかを解明することが重要であるが、世界規模のコロナ禍により、当該研究期間を含む、ここ数年は、海外への渡航が叶わなかった。 今年度は、本研究課題に関連するベトナム現地での研究動向を調査するとともに、申請者が、研究分担者として参画している、科研費・基盤研究(B)「観光化が進む世界遺産の歴史的都心における住環境の変化と課題の考察」(研究代表者:吉良森子)における、ベトナム・フエの「歴史的都心(historic urban center)」として、観光の発展に伴う住環境の変化に関する調査を行ったことで、本研究課題が、現代社会に供与できる影響について再考した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、本研究課題に関連するベトナム現地での研究動向を調査するとともに、申請者が、研究分担者として参画している、科研費・基盤研究(B)「観光化が進む世界遺産の歴史的都心における住環境の変化と課題の考察」(研究代表者:吉良森子)における、ベトナム・フエの「歴史的都心(historic urban center)」として、観光の発展に伴う住環境の変化に関する調査を行ったことで、本研究課題が、現代社会に供与できる影響について再考した。 本研究課題は、海外調査を基本とするものであるが、申請時より、コロナ禍であったため、研究協力者とオンラインで適宜連絡をとって状況を確認して、不測の事態に備え、調整を行ってきた。今年度のベトナムでの二度の現地調査を通じて、研究協力者と当該研究の意義を相対的に確認し、かつ研究の方向性についての意見交換が行えた。 以上により、以降の調査研究を円滑に進める方法の検討など含めて、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に、中国・台湾での現地調査を予定している。各国における調査については、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、研究協力者とオンラインで適宜連絡をとって状況を確認して、不測の事態に備え、調整を行う。人件費・謝金について、各年度で調査を行う現地の文書館・博物館等において、研究資料の提供・閲覧のための謝金を計上している。最終年度に作成する小冊子(日本語・ベトナム語・英語併記)のための翻訳謝金を計上している。その他、調査を行う現地の文書館・博物館等において、研究資料の複写費を計上したほか、研究成果を日本建築学会大会、同論文報告集への投稿および関連学会への投稿に関わる費用を計上している。最終年度に作成する小冊子(日本語・ベトナム語・英語併記)のための印刷・製本費を計上している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題は、海外調査を基本とするものであるが、申請時より、コロナ禍であったため、研究協力者とオンラインで適宜連絡をとって状況を確認して、不測の事態に備え、調整を行ってきた。今年度のベトナムでの二度の現地調査を通じて、研究協力者と当該研究の意義を相対的に確認し、かつ研究の方向性についての意見交換を行い、次年度使用額を用いて、集中的に海外調査を行う予定である。
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