研究課題
低高度を数年継続飛行することで空の基地局となる衛星航空機の実用化が期待されている.従来航空機と異なり,極軽量柔軟な衛星航空機は静的大変形形状によって周波数特性・動特性が激変する.衛星航空機の早期実現には大変形を考慮した数値モデル(非線形運動方程式)による静解析・周波数解析・動解析という一連の解析が必要になる.非線形性を任意に移動させ,静解析・周波数解析・動解析いずれに対しても容易に適用でき,高い解析性能を発揮する【非線形移動型モデリング法】の構築を目的とし,最終年度である3年目は以下の2点に取り組んだ.①周期加振実験による動解析モデルの精度実証:動解析モデル実証のために新たな風洞実験装置を作成した.鉛直に固定支持した平板翼模型の前方に円柱を配置してカルマン渦を発生させることで模型を励振する装置である.東北大学・流体科学研究所の風洞装置で,実験を行い励起された振動をレーザ変位計と圧電センサで計測することでモデル実証に有用な実験データが得られた.②自励振動実験による周波数解析モデルの精度実証:流速がある値に到達すると風洞模型の振動が増大するフラッタ現象の計測を行った.フラッタ発生時にレーザ変位計で得られた周波数と解析で得られた周波数には誤差があった.この誤差を解消するには本研究で焦点を当てていなかった流体モデルの改善が必要になると考えられる.以上より,3年間で予定していた非線形移動型モデリング法の構築,静解析実証実験,周波数解析実証実験,動解析実証実験が完了した.
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 9件) 備考 (1件)
Mechanics Research Communications
巻: 135 ページ: 104217~104217
10.1016/j.mechrescom.2023.104217
https://web.tohoku.ac.jp/makihara/www-j/index-j.htm