研究課題
本研究の目的はソーラーセイルや編隊飛行衛星に搭載可能な大面積マイクロ波干渉計を実現させるために必要な基準信号の無線位相分配技術を実証する事である。提案技術のコアとなる無線分配技術を1年度目に実験的に実証し、2年度目に同技術をマイクロ波干渉計に組み込み基準同期型サブアレイアンテナを実験的に実証した。3年度目には膜面貼付が可能な1枚の基板に上記技術を実装したサブアレイ基板を完成させ、本研究の目標である大面積マイクロ波干渉計技術の実験的実証を達成した。結果は国際学会複数で発表した。現状では、提案技術の成立性は実験的に実証され、実用化に向けた課題を検討している段階である。特に、薄膜構造体に多数のサブアレイを搭載するためには基板の薄膜化が重要となるため、サブアレイアンテナを薄膜ポリイミド基板で試作中である。本研究から複数の研究テーマが派生した。まず、干渉法を用いた膜形状計測技術はアンテナ間の相対位置を測定する技術であるため、編隊飛行する衛星群の相対航法センサとして応用する事が可能である。この技術を将来の探査ミッション候補に提案し、宇宙実証に向けて検討を進めている。また、ポリイミド膜にアンテナを転写する技術を応用する事で超小型衛星に超軽量低周波アンテナを搭載する事が可能になる。特に、超小型ソーラーセイルを用いた小惑星レーダートモグラフィ探査をケーススタディとして取り上げ、ミッション全体の成立性を評価する段階まで検討を進めた。その他にも小型衛星群を用いた地球観測・惑星探査も検討を進めている(それぞれ世界初の方式)。アンテナ膜をロール状に展開する事で数百m級のアンテナも実現可能になると考え、衛星システム設計を含めて検討を進めている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 7件)
Journal of Evolving Space Activities
巻: 2 ページ: -
10.57350/jesa.114
Acta Astronautica
巻: 208 ページ: 36-48
10.1016/j.actaastro.2023.03.040