研究課題/領域番号 |
21K14359
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
米田 昇平 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (50815678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高周波インバータ / 複数コイル / 位置ずれ / 共振周波数 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,水中探査機に搭載されたバッテリの充電方法として,複数電源を有する非接触給電システムの開発を行っている。令和3年度は複数コイルの基本特性の把握を目的として,受電コイルを複数個用いた場合の共振周波数,受電電圧,受電電力の変化などを評価した。 まず,複数受電コイルと受電回路を作製し,結合係数の測定を行った。そして,実験条件における共振周波数の変化を理論的に検討した。この際,受電コイルの個数による共振周波数の存在条件および値の変化を理論的に導出し,実験により理論の妥当性を確認した。ただし,複数個の共振回路が存在するため,解析可能な条件は限定的である。そこで,その条件を明確にすることで,基本的な設計条件を明らかにした。 次に,上記の条件における受電電圧と受電電力の変化を理論的および実験的に評価した。受電回路の個数を増やすことで,電圧は案分され,それに伴った受電電力の変化も確認した。これにより,共振周波数の存在条件,およびその際の受電電圧・電力の基本特性が明らかとなり,複数受電コイルの基本特性を明らかにした。その結果,複数受電コイルを用いることで,位置ずれの許容範囲が広がり,安定した受電を広範囲で実現できる。 そして,これらの複数電コイルの知見を基に,複数送電コイルを利用した電力伝送の基礎実験を行い,高周波インバータの電圧と電流の位相の変化から,水中探査機の位置ずれ方向が把握可能であるという基本原理を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数受電コイルを用いた基礎検討により,共振周波数,受電電圧・電力の基本特性が把握でき,これを複数送電コイルに応用することで,複数送電コイルを利用した非接触給電システムの基本特性を明らかにした。この際,高周波インバータにより,電力伝送とコイルの位置ずれ方向の検出が両立する基本原理を確認できたため,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後,複数送電コイルを用いてさらなる電力伝送実験を行い,動作条件の明確化を行う。このとき,動作周波数や回路設計の自由度や制約条件を明確にする。また,動作範囲の制約が大きい場合,別の制御法の検討も必要となるため,必要に応じてそれらの基礎検討を開始する予定である。
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