研究課題/領域番号 |
21K14360
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
井原 智則 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70767350)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 海底熱水鉱床 / 超音波流速分布計 / 深海熱水場 |
研究実績の概要 |
3年度目の本年については、研究航海の機会が得られたため、前年度に引き続き実地計測を行った。海況が優れなかったため東青ヶ島カルデラの熱水域への1潜航のみであったが、流動場と熱水場の計測を行う事が出来た。また、流体のサンプリングについても実施することが出来たたため、詳細な解析に供する試料を得ることが出来た。一方、熱流動場と岩石についてリンクするためのチムニー試料については想定外に強固なものであったため、チムニー試料採取については放棄を行わざるを得なかった。また、チムニー内の温度分布を計測するための機器を開発し、現場に持って行きはしたが、上記オペレーションに時間を要したためこれについても実施を見送る形となった。 また、これまでの計測結果の解析手法を検討し、1次元の超音波流速分布計計測結果から噴流の流動場を復原する手法について見通しを得ることが出来た。具体的な手法としては、軸対称噴流の実験的な速度分布形状を既往研究から整理し、その上で実次元速度の分布の投影となる超音波流速分布計の1次元結果にフィッティングを行う事で、それぞれの流速分布を復原することができた。また、実流動場においては背景海流の影響があるため、定式上はこれらの項目についても検討を行うこととしている。まずは流量に換算することで既往研究で見られる値と比較し、妥当な結果が得られることは確認出来た。 なお、当初は実施期間を3ヶ年で予定していたが、育児休業の取得を実施したことに伴い、1ヶ年延長した4ヶ年で研究を実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた項目を踏まえ、実地データを踏まえてフィードバックを受けた上で本来目的としている内容に向けておおむね順調に進捗している。また、ワークライフバランス面で無理のないようにマイルストーンを設定しているが、それについても順調にこなしていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度においても研究航海の機会が得られているが、これまでの集大成となるため、課題を整理した上で不足しているデータをしっかり取得し、その上で、研究成果を積極的に対外公表し、本課題について十分な成果を挙げることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
育児休業を取得したことに伴い、ライフワークバランスを考慮し、本来の研究実施計画を1年間の延長分にストレッチした形で実施し、項目自体の変更は行わない。
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