研究課題/領域番号 |
21K14372
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大久保 豪人 東洋大学, 経営学部, 講師 (40777976)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 異常検出 / タグチメソッド / 高次元主成分分析 / 統計的パターン認識 |
研究実績の概要 |
本研究では,センサー・データを活用した設備機器等の状態監視システムの実現に向けて,タグチメソッドから着想を得た誤差因子にロバストな異常検出法を開発することを目的としている.2021年度は,国際会議にて3件の発表を行うことができた.なお,以下の研究の一部はJSPS科研費18K13953の助成を受けている. 【研究実績I】 運転状況等に応じた複数の正常モードをもつデータからの異常検出を可能とするプロシージャを開発した.この提案プロシージャを改善する形で誤差因子にロバストな異常検出法を目指す予定である.なお,この成果の一部を2021年度の国際会議にて発表し,Best Paper Awardを受賞した. 【研究実績II】Ohkubo & Nagata (2018)で提案した異常検出プロシージャ,すなわち高次元データからの異常検出をより適切に実行できる異常検出プロシージャを新たな観点から再評価した.この研究により,高次元データを対象とした異常検出プロシージャの拡張について一定の方向性を見出すことができた.次年度以降も引き続き,本プロシージャの改善を進めて行きたい.なお,この成果の一部を2021年度の国際会議にて発表している. 【研究実績III】異常検出プロシージャを統計的パターン認識の枠組みに則って実行する方法について議論を行った.その予備的な研究として,タグチのT法を分類問題に応用するプロシージャを開発した.次年度以降,この成果を分類問題ではなく異常検出問題に適用可能なプロシージャに発展させる予定である.なお,この成果の一部を2021年度の国際会議にて発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画で予定していた誤差因子にロバストな異常検出法の開発自体には大幅な遅れがあるものの,【研究実績II】や【研究実績III】のような設備機器等の状態監視システムの実現に対する新たな方向性を与える成果を得ることができたと捉えており,大きな進展があったとも言える.また,【研究実績I】は当初の計画以上の研究成果を収めることができ,Best Paper Awardの受賞にもつながっている.よって,これらを総合的に判断した結果,現在までの達成度は「おおむね順調に進展している」とした.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画から目標を下方修正しつつも,誤差因子にロバストな異常検出法の開発を目指したい.一方で,【研究実績II】や【研究実績III】から得られた新たな知見に基づき,それらの研究成果を発展させた異常検出プロシージャの開発も同時に進めて行きたい.後者の研究が順調に進めば,優先順位の変更も視野に入れる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初,高性能PCの購入を予定していたものの,既存PCのパーツ交換により,最低限のスペックを満たすPCが構成可能と分かった.そのため,高性能PCの購入は一旦,見送ることとなり,次年度使用額が発生している.次年度使用額は,モンテカルロ・シミュレーションの並列実行のため,新たなPCの購入費として使用する計画である.
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