研究課題/領域番号 |
21K14392
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
北村 尊義 香川大学, 創造工学部, 准教授 (20757637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スマートウォッチ / 避難誘導 / 災害時 / モチベーションマネジメント / ドラマツルギー / 病院スタッフ |
研究実績の概要 |
令和3年度は,研究の基盤となる環境整備と学会聴講参加による関連研究資料の収集,実験準備とその過程で誕生した新たな研究の推進に注力した. 研究の基盤となる環境整備においては,令和3(2021)年度科学研究費助成事業-科研費-の「基盤研究(C)」及び「若手研究」における独立基盤形成支援(試行)に採択されたことにより,研究のためのディスカッションやアプリ開発の環境,実験のための機器や得られたデータを安全に保管するための設備環境の構築を実現することができた. 学会聴講参加では,国際会議においてはIVA2021,国内研究会ではヒューマンインタフェースシンポジウム2021などに参加することで関連する研究を収集した. 実験準備では,Apple WatchやMacBook Proなどのアプリ開発に必要な機器の購入により,当初想定していた通りの状況が整いつつある.その一方でコロナ禍に対応してVR空間の利用をヘッドマウントディスプレイ以外を用いる手法の検討もすすめており,2022年の9月には実験によって得られた成果を発表予定である. また,今回の実験準備その過程で誕生した新たな研究としては,本研究のアンケート調査のために購入したインターネットアンケートサービスライセンスを用いて,人のタスクモチベーションに関する調査研究や,病院内でのスタッフのドラマツルギーについて明らかにする調査研究が生まれている.これらの成果は第190回ヒューマンインタフェース学会研究会「コミュニケーション支援および一般(SIG-CE-25)にて発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度の計画では,実験協力者を集めての評価実験を計画していたが,新型コロナ禍のために対面での実験の実施が難しかった.ただし,令和4年6月には実験を実施し,その結果を分析・公表する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度では,令和3年度で準備してきた実験計画を7月までには実施し,その成果を関連学会シンポジウムで公表する.また,その結果をうけて,スマートウォッチ上に提示するデザイン案についての検討をすすめる.具体的には,通行可能である(or可能でない)と思われる箇所の特徴をもとに,スマートウォッチによる画面情報・振動情報のデザイン案の形成的評価を,ひとつにつき10人ずつ5つのデザインで実施し(計50回),どのようなデザインであれば「道路外を通行することができるかの判断」の補助として適しているのかを検討する. 令和5年度では,令和4年度で検討した情報デザインについて,令和3年度の研究で対象と しなかった災害や地域においても対応可能であるかを検討し,対応が難しい場合にはどのよ うな要件が必要となるのかを調査する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において学会関連活動がオンライン中心になり,出張費用が極端に抑えられたこと,また,本研究の所属機関がコロナ禍をうけて対面での活動を極力控えるよう指示したために実験の遂行準備が遅れてしまった.次年度使用額は,今回のような事態にも対応して実験を確実に遂行するための機器購入に充てることを計画している.
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