反応性窒素の人為活動による生産量は年々増加している。特に、施肥や産業、生活によって生成され、環境中の水への排出される硝酸イオンの量は、化石燃料の消費による放出量や農地による固定量をはるかに上回っており、窒素の地球科学的循環に向けた選択的な分離・濃縮技術が求められている。分子科学の観点でも、平面分子内に電荷共鳴構造をもつため、電荷密度や求核性が極めて小さく、一般に、物質との相互作用が小さい。そのため、吸着材による水中からの分離が極めて難しい。それに対して、今回開発したLDHsは極めて高い硝酸イオン吸着能をもつため、環境問題の解決に資するのみでなく、吸着科学の学理構築に資するものである。
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