研究課題
若手研究
本研究では量子化学計算,分子動力学法,散逸粒子動力学法,有限要素法といった様々なスケールにわたる解析手法を連携し,エポキシ樹脂を母材樹脂とする炭素繊維強化複合材料の成型時残留変形や強度を予測するマルチスケールモデリング手法を構築した.これにより複合材料がもつ原子・ 分子スケールから積層板スケールまでの階層的特性を考慮しながら,樹脂分子構造を出発点とし複合材料積層板の各種挙動の予測が可能となった.
複合材料
炭素繊維強化複合材料はその高い比剛性,比強度から軽量化が求められる航空機などの構造部材としての利用が拡大している.一方で,その変形・破壊のメカニズムは従来の金属材料に比べてはるかに複雑なものになっている.本研究ではさまざまなスケールの解析手法を連携することで,複合材料開発の出発点である樹脂の分子設計から複合材料のマクロな変形・破壊までをモデリング可能な手法を構築した.これによって分子設計の段階から複合材料の多くの特性が予測可能となり,材料開発のスクリーニングやコスト・時間削減に貢献できる.