研究実績の概要 |
①Fe-Mn-Mg合金作製プロセスにおける焼結条件の検討を行った。2021年度の研究においては、Fe-21Mn-xMg(x = 0, 10, 20, 30, at.%)合金をメカニカルアロイング法と放電プラズマ焼結法により作製したが、その焼結温度は773 Kのみであった。そこで2022年度は焼結温度823 Kにて焼結体を作成した。773 K焼結体と比較して823 K焼結体は気孔率が増加しており、機械的特性にも劣るという結果となった。 ②Fe-Mn-Mg合金のMg量最適化の検討を行った。2021年度に作製したFe-Mn-Mg合金焼結体では、10at.%のMgを含有した合金は、Mgを含有しないFe-Mn合金よりも低い気孔率を示したものの、20, 30at.%のMgを含有した合金においてはMg含有量増加とともに気孔率が増加する傾向を示したことから、2022年度は新たに5, 15at.%のMgをが入する合金を作製した。Mg含有量10at.%まではMg含有量増加とともに気孔率が低下したが、Mg含有量15at.%では、Mg含有量10at.%と比較して気孔率が増加したことから、Fe-Mn-Mg合金における最適Mg量は10at.%であると考えられる。 ③2021年度に作製したFe-Mn-Mg合金をベースとして、Cを添加した合金を作製した。Cを添加することで、メカニカルアロイング後に粉末粒径が僅かに微細になる傾向を示した。このことから、焼結体の機械的特性向上の可能性が示唆された。腐食速度については、C添加による大きな影響は確認されなかった。 ④2021年度のFe-Mn-Mg合金の創製に関する研究について、日本金属学会講演大会にて口頭発表を行うとともに、論文を1報発表した。
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