新規のクロム合金めっきの創製を目的として、濃厚塩化物浴における各種金属の電析挙動を調査し、クロムとの共析が期待される金属種について合金めっき試験を行った。濃厚塩化物浴において各種金属の電極電位は希薄浴よりも卑にシフトし、報告されている錯体種の熱力学データと大きく異なるものも見られた。これらの金属イオンは未報告の錯体種として存在していることが示唆される。クロムとの共析が可能な金属種として、クロム-亜鉛の組み合わせについて注目した共析試験を行った。この系ではクロムと亜鉛が交互に堆積した積層構造を有する金属膜が得られ、本手法のみで作製されるユニークなめっき皮膜であることがわかった。
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