研究実績の概要 |
本研究では、水素化反応への応用に向けた新規な合金触媒の開発を行った。高表面積な合金粉末を得るために、溶融塩中でCaH2を還元剤に用いるオリジナルな合成手法を確立した。得られた合金粉末は、Ni2TiAl, TiFe, TiCo, TiNi, FeAl, AlCoCrFeNiV, CrMnFeCoNi, TiNiSi, CaPt2, YIr2であり、XRD測定により単一の結晶構造からなる合金であることが確認された。N2吸着実験の結果より、これらの合金粉末のBET表面積は~100m2/gほどであり、比較的大きな表面積を有していることが確認された。SEM-/TEM-EDXによるミクロな領域での元素組成・分布を確認したところ、均一な元素分布が観測された。ナノサイズのモルフォロジーの存在が観測された。これらの結果より、開発した合成手法の性能と汎用性が実証された。続いて、得られた合金粉末のいくつかの触媒活性を、CO2水素化によるCH4合成、CO水素化によるCH4合成、液相有機合成のCO活性化反応、ニトロフェノールの水素化において評価した。その結果、従来の触媒と比較して、活性化エネルギーの低下や活性(TOF)向上がみられ、合金触媒にユニークな特性が得られた。関連成果として、研究全期間を通して14報の査読付き英字学術論文を報告した。一件の国内特許を申請した。一件の招待講演を行った。一件の論文賞を受賞した。
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