研究課題
令和5年度は、1) 触媒ナノ粒子を内包した中空シリカ粒子の合成を検討し、2) 同粒子を充填可能な流通式反応器の設計に向け、リアクター内部の局所圧力を数値計算により予測する手法を確立した。1) 触媒ナノ粒子(銀または金ナノ粒子)を内包した中空シリカ粒子の合成プロセスを検討した。ナノ粒子を担持したポリマー微粒子を多孔質シリカシェルで被覆した後に、熱処理によりポリマー微粒子のみを熱分解させることで目的の粒子を合成した。本手法では、シリカシェルの厚みや細孔径を制御可能であることも確認した。有機色素分解反応を例に、生成粒子の触媒活性を評価したところ、反応物がシリカシェルで隔たれる本粒子形態においてもナノ粒子の活性は維持されることがわかった。反応効率にシェルの厚みや細孔径が影響することも示唆されたことから、中空粒子に内包したナノ粒子の触媒活性には中空シェルの物質透過性が寄与していることを明らかにした。2) 本研究では、合成した触媒ナノ粒子内包型中空シリカ粒子を流通系反応に適用することを目標とした。しかしながら、粒子を充填した粒子充填型の反応器は一般的に、圧力損失が大きいことが課題として指摘されている。そこで、触媒ナノ粒子内包型中空粒子を充填した流通式反応器の設計のために、有限要素法により反応器内部の局所圧力を予測する方法を検討した。その結果、粒子サイズの不均一性が圧力損失増大に寄与するが示され、省エネルギーな触媒システムの開発に向けては、粒径が均一な中空粒子を合成することも重要な要素であることを明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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