研究課題
若手研究
高い圧電特性を有するScAlN薄膜において、Scを高濃度に固溶したウルツ鉱相を安定化させる下地層として<111>方向に配向した岩塩構造のYNが有望であることを理論計算によって見出した。理論計算で高い圧電特性が予測されたMgWAlNにおいて、ウルツ鉱相で構成された薄膜を得ることができた。また、下地層として薄いAlNを導入することで、ScAlNやMgWAlN薄膜のウルツ鉱相の結晶性や配向性が大きく向上することがわかった。
材料科学
本研究では、薄いAlNを下地層としてAlN系固溶体薄膜に導入することでウルツ鉱相の結晶性や配向性の大きな向上を確認することができた。この知見は、通信用機器の弾性波フィルタに用いられるAlN系圧電薄膜の性能向上に貢献するものと期待される。また、新規にMgWAlN薄膜において圧電応答を得ることができた。今後、圧電性能の向上を図ることができれば、本材料は圧電センサや弾性波フィルタへの応用が期待される。