従来,イオンチャネルの機能測定においては膜貫通方向に電圧を印加することが数十年来にわたり当然とされてきたため,膜平行電圧は今まで見落とされてきた概念であり,この新たな制御因子の導入はイオンチャネル機能解析に技術的革新をもたらす可能性を秘めている.膜平行電圧を導入したイオンチャネル電流測定系を確立・汎用化させるためには,その作用原理の解明は必須となるが,本研究によって人工細胞膜蛍光イメージングシステムの基盤を確立したため,膜平行電圧印加時の膜物性への影響を調査するための土台は整った.今後,膜平行電圧の作用原理を膜物性の観点から明らかとすることで,本系の汎用化・実用化が進むと期待される.
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