3つの共通薬物標的を持たないトリプルネガティブ乳がん(TNBC)には、ほとんどの抗がん剤が有効ではない。2022年度は新しい高分子材料である共有結合性有機フレームワーク(COF)の合理的設計と修飾に基づき、光応答性ナノ粒子を開発した。COFナノ粒子は、Transient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)チャンネルを光熱的に活性化することで細胞内のCa2+流入を促進し、結果としてTNBCの生存に不可欠なWntシグナル伝達経路を阻害することができることを明らかとした。この結果は、COFナノ粒子がTNBC治療のための新規薬剤としての有用性を示す。
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