研究課題/領域番号 |
21K14539
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
山本 航平 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (30844823)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 磁性体薄膜 |
研究実績の概要 |
深さ方向に複雑に構成された磁性体薄膜/多層膜は層間の相互作用に起因して多彩な磁性現象を示す。さらに磁性体の応用先として重要な記録媒体などにおいても多層膜構造を利用して有用な特性が実現されている。このような磁性体多層膜の磁性分布の深さ方向の直接観測による、薄膜中おける磁気構造の発現機構を解明するため、軟X線領域におけるXMCDを利用した反射率XMCD法による測定装置を分子研UVSOR BL4Bに設置し、テスト試料に対して実験を行った。 測定セットアップは2軸の反射率計となっており、それと独立して動く永久磁石による磁場印可機構が備わっており、試料に対して面内、面直方向の磁場をかけることができる。昨年度までX線の検出はフォトダイオードによって行っていたが、本年度ではエネルギー分別可能なシリコンドリフトディテクターを導入し、基板からの蛍光X線の影響を排除し高角側の小さい信号を得られるようになった。磁場は0.35T程度であり、測定は室温で行った。試料の磁性層はCoFeBであり、キャップ層、下地層などによる振動構造が得られたとともに、XMCDに対応する差分であり、シミュレーションによる結果との一致が見られた。Co L吸収端にわたって同様の測定を行っており、XAS/XMCDスペクトル情報と反射率による構造情報との複合的な解析を行っている。さらに実験室系の硬X線での反射率測定を行い、構造情報を得たので、それと軟X線から得られる磁性情報と合わせた分析をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新しい検出器の入手に時間がかかり、放射光ビームタイムとのタイミングとの兼ね合いで、測定が年度終わりになってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に得られた軟X線領域での角度依存性、エネルギー依存性のデータを合わせた解析法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
検出器入手時期がやや遅れたため、割り当てられた放射光ビームタイムとのタイミングがずれてしまい、所属機関での測定が想定より遅れたため。来年度は、本年度まで得られた結果をもとに解析を進める。
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