中赤外領域のレーザー光源を用いた輻射力による新しい光操作実験を遂行した。超短パルスレーザーを用いた実験計画からは予定を修正しているが、次に示す2つの成果を挙げることができた。1つ目として、中赤外量子カスケードレーザーを用いて、特定の分子振動を励起することで、その物質のみを選択的に光輸送できる機構を発見した。世界で初めての成果であり、分子構造に応じたクロマトグラフィーが可能になると期待される。2つ目は、中赤外ファイバーレーザーを用いた溶媒加熱による光熱トラップの技術を提案した。我々の手法では、水溶液中にレーザーを照射するだけで、溶媒内の微粒子等を局所的に濃縮させることができる。
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