研究課題
若手研究
宇宙線ミュオンに起因する半導体デバイスでのソフトエラー率の高精度評価のためには、計算機が実際に設置される環境における低速宇宙線ミュオンの流束の実測データが必要である。本研究では、低エネルギー宇宙線ミュオンの流束測定において主なバックグラウンドとなる宇宙線電子由来のイベントを宇宙線ミュオン由来のイベントと弁別し、その発光量から宇宙線ミュオンの運動エネルギーを測定するチェレンコフ検出器の開発を行った。そして既存の低速宇宙線ミュオン流束測定装置と同期してデータ取得を行うデータ収集系の開発を行った。
放射線計測
本研究で開発したチェレンコフ検出器は、計算機の稼働する実環境での低速宇宙線ミュオンの流束の実測におけるバックグラウンド電子由来の不確かさの低減に寄与する。これにより、高度情報化社会に深刻な影響をもたらしうる、宇宙線ミュオン起因の半導体デバイスでのソフトエラーの発生確率の高精度評価に貢献することができる。