2023年では2021年度のに自己イオン照射による照射硬化評価への適用性を検討結果を元に自己イオン照射した単結晶の照射硬化の評価を実施した。 評価に用いた単結晶は直径3㎜、厚さ0.25㎜のディスクであり、結晶方位は(100)、(110)、(111)の3種類である。また、自己イオン照射は高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設TIARAを用いて500℃で0.3dpa、1.0dpa、3.0dpa照射し、マイクロ引張りによりマイクロ引張強度の評価を実施した。 試験結果では未照射単結晶と同じく、結晶方位による強度の異方性が確認でき、照射量によるマイクロ引張強度の明確な硬化も認められた。特にナノインデンターで評価した硬化パターンと同じく、照射初期段階で照射効果の飽和が確認できた。 また、1.0dpaで5%程度の硬化量を示したナノインデンターの結果と比べマイクロ引張では10%程度の硬化量を示した。この結果は多結晶でも同様の硬化パターンが示された。3.0dpaまで照射した多結晶ではナノインデンターで15%程度の硬化量を示しており、マイクロ引張では30%程度の硬化量を示し、ナノインデンターにより評価した硬化量とマイクロ引張で評価した硬化量の関係を確認した。
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