研究課題
地熱発電は再生可能エネルギーとして注目されており、国内での地熱発電所の多くが九州地方に集中しているが、発電所施設の金属配管等での腐食や炭酸カルシウム・シリカなどのスケール付着が大きな問題となっている。腐食やスケール抑制を目指した添加薬剤や配管材料導入に関する研究は進んでいるが、環境やコスト的な面から有効な手段は未確立のままであった。そこで本研究では、主に室内・屋外実験によって、環境に優しく低コストで導入可能であるウルトラファインバブル(ナノバブル)が、地熱流体による腐食や炭酸カルシウムスケール付着を抑制できるかどうかを理解することを目的とした。本研究によって、(A)空気ウルトラファインバブルは炭酸カルシウム結晶の成長を抑制し、結晶成長抑制率はウルトラファインバブルの数密度によって変わる、(B)空気ウルトラファインバブルは低pH高温流体中やインピンジメントアタックなど、腐食にとって非常に過酷な環境下での腐食を軽減できる、(C)ウルトラファインバブルは固体材料の表面粗さに応じて水の流れの摩擦と潤滑作用の両方に働き、この作用はウルトラファインバブルの数密度によって変わる、などの新しい知見を得ることができた。これらは、地熱分野やウルトラファインバブル関連分野において全く新しい研究結果であり、今後の地熱分野やウルトラファインバブル関連分野に重要な知見をもたらした。また、以上の研究結果について、Renewable and Sustainable Energy Reviews誌をはじめとした関連分野の著名ジャーナルより出版した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Tribology International
巻: 165 ページ: 107333~107333
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Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects
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