共振場に分子を配置することにより、量子光学相互作用である強結合状態が形成する。特に暗条件においても真空場が介在することにより、化学反応ダイナミクスが変調することが提案されている。本研究においては、振動強結合下における水和ダイナミクスの制御に基づくイオン伝導度制御を主眼として研究を行った。共振器中に水を導入し、赤外分光計測を行ったところ、ポラリトン状態に由来するスペクトルが観測され、結合強度が0.1を凌駕する超強結合状態であることを明らかとした。さらにはプロトン伝導や水和ネットワークのダイナミクスが誘起される状態においてイオン伝導度が特に向上することを見出し、イオン伝導制御を見出した。
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