研究成果の概要 |
パランビンA,Bは2012年に中国産コケ植物から単離されたノルジテルペノイドである。本天然物は二つのノルボルナン構造が内在した三環性骨格を有しているが、このユニークな骨格の効率的合成法は未だ開発されていない。そこで、この特異的三環性骨格を容易に化学合成できる方法論の開発を目指した。 検討の結果、2位にメチル基と末端にジブロモオレフィン部位を有するアルキル側鎖が置換した1,3-シクロペンタンジオン体にシリル化剤と塩基を処理すると、5員環1,4-ビスシリルエノールエーテルの生成、分子内Diels-Alder反応、セミピナコール転位が一挙に進行し、目的の三環性骨格を得ることに成功した。
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