ホモプシンAは、ウシやヒツジなどの家畜の食中毒の原因物質として単離された天然有機化合物である。細胞有糸分裂に関わるチューブリンの重合を強力に阻害することから、新規抗がん剤のリードとして期待されてきた。しかし、最近単離された天然同族体ホモプシンFとの活性の比較から、ホモプシンにチューブリン重合阻害以外の未知の活性発現機構が存在する可能性が示唆された。本研究では、天然物の全合成研究および側鎖部位に関する構造活性相関研究を展開し、ホモプシン類の作用機序の解明を目指した。その成果として、天然物の環状部位の合成を達成するとともに、側鎖部アナログの合成できた。
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