本研究は、アンモニア分子をカルベンに直接導入可能な方法論の開発を目的とする。研究実施期間を通して、高効率化を指向した錯体機能の修飾、水溶化錯体の合成、アンモニアおよびその等価体を利用することによるアミノ酸類の直接的合成を見出す検証を行った。アンモニア分子そのものを窒素源として用いるとき20%ほどの収率で目的物が得られることがわかった。また、アンモニア等価体を用いて併せて検証を実施したところ、イミン類を用いると反応の効率化を図ることが可能となった。その他、アンモニア水を反応に用いることを企図し、水溶化ロジウム(II)錯体を調製し、ポリオール構造をもち水に高い溶解性をもつ錯体の調製にも成功した。
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