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分子鋳型法を利用して水中でターゲットタンパク質を高効率で捕捉することが可能な分子インプリントヒドロゲル (molecular imprinted hydrogel; MIH) を合成した。合成したMIHにpolyethylene glycol(8-anilino-1-naphthalenesulfonic acid) monomerを導入し，enzyme-linked immunosorbent assay様のタンパク質蛍光検出システムを構築した。さらに，({[2-(2-methacrylamido)ethyldithio]ethylcarbamoyl}methoxy)acetic acid monomerを導入し，disulfide基の切断と，sulfhydryl基を起点とした化学修飾によって，熱・光活性基であるperfluorophenyl azide (PFPA) をMIHに導入した。これによって，分子鋳型効果によるタンパク質の選択的捕捉と，光活性基によるタンパク質表面との選択的化学結合形成が可能な光刺激反応性MIHを開発した。光照射後，MIHを消化酵素溶液に浸漬してタンパク質を分解し，MIHに結合していないペプチド鎖の回収を行った。回収したペプチド鎖をLC-MS/MSで解析し，未処理のターゲットタンパク質のMS/MSスペクトルと比較した。その結果，MIHと反応することによって，lysozymeの3次元構造の外側に存在する一部のpeptide鎖のシグナル強度が減少していることが確認された。以上の結果から，本手法がLC-MS/MSでタンパク質三次構造情報を取得する手法として有効であることが示唆された。
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