研究課題/領域番号 |
21K14667
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研究機関 | 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 |
研究代表者 |
清川 貴康 公益財団法人地球環境産業技術研究機構, その他部局等, 研究員 (10869811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 二酸化炭素吸着 / 二酸化炭素変換 / CCU / 二元機能材料 / 無機系材料 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、CCU技術として注目されている二酸化炭素変換技術の社会実装に対するハードルを下げるべく、二酸化炭素を吸着、その場で有価物へ変換可能な二元機能(吸着/変換能)有する材料の開発を行うことである。本プロセスは、二酸化炭素の脱離工程が不要かつ有価物として回収できる革新的なプロセスになる。本研究課題では、吸着した二酸化炭素を高効率に変換できる材料開発を行うことを目標に、「1.二酸化炭素を高効率に吸着できる材料」、「2.吸着した二酸化炭素を効率よく変換できる材料」の2項目に分けて検討を実施している。1.に関して、本年度は、二酸化炭素の吸着サイトを持つ塩基性酸化物系吸着材の吸脱着性能について検討を行ってきた。その結果、合成方法や酸化物種の組み合わせにより、吸着量の増加や脱着性能を制御できることが分かってきた。加えて、機器分析の結果より、吸着性能には細孔特性や結晶性が性能に大きく寄与することが明らかとなり、脱離性については、塩基性酸化物への他金属酸化物の複合化が影響を及ぼすことも明らかとなった。2.については、二酸化炭素を吸着できる塩基サイトと吸着した二酸化炭素を変換できる反応サイトを、近接できるような材料開発を目的に検討を開始した。吸着材への活性種の導入方法について検討を行った。検討結果より、使用する前駆体溶液のpHや添加物の種類などを適切に調整することで、目論見通りに吸着材に導入できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標達成のための吸着材の選定や、活性種の導入方法の検討に時間を要しており、変換試験を実施することができなかった。また、昨今の状況により、想定外の在宅ワークなども増え、計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
二酸化炭素を効率よく吸着できる材料や、活性種の導入方法には目途を得ている。そのため、吸着材への活性種の導入を早急に実施し、吸着/変換試験を行う予定をしている。また、吸着材の吸脱着特性と変換性能、活性種の導入量の影響についても精査する。得た知見を基に、高性能な材料を見出すとともに、本技術の有用性を示す予定である。また、論文や学会等で、外部に対しても発信していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に遅れが生じたこともあり、ガスや試薬の使用が想定よりも下回った。ガスや試薬に関しては、本年度、検討を加速的に行うよていをしているため使用予定である。 また、学会やセミナーに積極的に参加する予定をしていたが、開催中止やオンライン開催が多く、旅費の使用はなかった。本年度は、開催予定の学会やセミナーには積極的に参加していく計画をしている。
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