現代までの有機・高分子合成化学の発展により,バラエティに富んだ構造の分子を合成できるようになった.これらの分野は主に新規反応の開発によって牽引されてきたが,化学合成の場に着目した研究も同様に,物質合成の可能性を広げる上で多大なる貢献を果たしてきた.一般的に合成反応は均一な溶液中で行われるが,気液・液液・固液界面を化学合成の場として利用することで,均一相では合成し得ない化学構造や,界面の形状を反映したユニークな集積構造を有する有機・高分子材料を創成できる.本研究は従来の化学合成に新たな場を提供し,従来は不可能であった物質合成の可能性を切り拓くものである.
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