分子動力学法とモンテカルロ法を組み合わせることで,含水有機粘土の分子モデリングに関する手法を開発した.含水率については,当初は熱重量分析から求められる値を参照していたが,層間に挿入される水分子のエネルギーを逐次的に熱力学的に解析することで,実験値に依存せずに決定できることを見い出した. 含水時の吸着サイトについては構造や拡散性を評価することで決定しており,カチオン種の大きさ(特にアルキル鎖の長さ)によって同じ吸着質でも吸着サイトが異なってくることがわかった.また,吸着選択性については,熱力学的積分法による溶媒和自由エネルギー解析を導入することで,実験結果を再現することができた.
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