マグネシウムイオン電池において室温かつ高速充放電条件(充放電時間6分)で可逆に動作可能なリン酸鉄内包型カーボン複合体およびリン酸バナジウム/カーボン複合体正極の創製に成功した。高速充放電化のためには、ナノ結晶が導電性カーボンと高分散に直接接合した正極材料と、Dual-salt電解液のようにマグネシウムイオンが正極に近づきやすい溶媒和構造を有する電解液の組合せが重要であることを明らかにした。創製した正極材料はマグネシウムイオン電池において二相共存反応ではなく固溶体反応を介して充放電が進行していることも明らかにした。このような反応挙動の変化によって、室温動作・高速充放電を実現したことが示唆された。
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