研究課題/領域番号 |
21K14722
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
山本 宗昭 大阪公立大学, 人工光合成研究センター, 特任助教 (50823712)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 二酸化炭素還元 / in-situ分析 |
研究実績の概要 |
本研究では二酸化炭素と水蒸気を反応させ有用な炭素化合物を得る光触媒系の構築に向けて,銀ナノ粒子を助触媒として担持した酸化ガリウム光触媒を対象に,二酸化炭素および水蒸気雰囲気下でのUV-Vis,XAFS,FT-IR測定を実施した.二酸化炭素および水蒸気を測定セルにフローさせながら光を照射しin-situで分析をした.その際,光照射波長を光学フィルターにより制御することで,酸化ガリウム光触媒のバンドギャップ励起と銀ナノ粒子助触媒の局在表面プラズモン共鳴の影響を区別した. UV-VisおよびXAFS測定の結果から,酸化ガリウム光触媒のバンドギャップ励起では銀ナノ粒子は還元されて金属的になるのに対し,銀ナノ粒子助触媒の局在表面プラズモン共鳴では銀ナノ粒子自身が酸化されることが明らかになった.一方,同条件でのFT-IR測定の結果から,局在表面プラズモン共鳴で酸化した銀ナノ粒子に二酸化炭素が吸着し,酸化ガリウム光触媒のバンドギャップ励起で吸着した二酸化炭素が還元される可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験室でのin-situ UV-Vis測定と放射光施設でのin-situ XAFS測定のどちらも達成でき,反応環境下における銀ナノ粒子助触媒の化学状態変化を観察できた.また,同条件でのin-situ FT-IR測定から,銀ナノ粒子助触媒が関わる二酸化炭素還元反応のメカニズムの知見が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
銀ナノ粒子助触媒が関わる二酸化炭素還元反応のメカニズムの詳細を明らかにするため,反応環境下におけるin-situ FT-IR測定条件を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
既存の装置や他の予算で研究を進めることができたため.繰り越した予算は主に実験システムの改良費に用いる予定である.
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