本研究では、電極|電解液界面におけるリチウムイオンの脱溶媒和の促進に基づく高速充放電の実現を目的に、鉄イオンFe3+と2-アミノテレフタル酸からなる金属有機構造体MIL-101(Fe)-NH2を正極活物質としたリチウムイオン電池を作製した。リチウムイオン電池の充放電測定と交流インピーダンス測定を行ったところ、MIL-101(Fe)-NH2はMIL-101(Fe)よりも大きな容量と小さな電荷移動抵抗を示した。これは、表面の親水基NH2と電解液分子のカルボニル基との水素結合を駆動力とし、電極|電解液界面においてリチウムイオンの脱溶媒和が促進されたことを示唆する。
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