Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4株は37℃では熱ストレスにより芽胞を形成し休眠するが、アデニンの添加により芽胞形成が抑えられ、菌体増殖とブタノール発酵が回復する。TEM観察により37℃では細胞膜が細胞壁から剥離する異常構造が見られたが、アデニン添加でこれが緩和された。一方、アデニンデアミナーゼの破壊によりアデニンの主要代謝経路が明らかになったが、アデニンなしでも耐熱性を獲得し、未知の機能を有する可能性が示唆された。また、アデニンは他種微生物でも細胞増殖において熱ストレスを緩和し、核酸代謝を活用した発酵産業への応用が期待される。
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