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2023 年度 実績報告書

酢酸菌におけるリン脂質アシル鎖の構造依存的な酢酸応答メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K14776
研究機関立命館大学

研究代表者

豊竹 洋佑  立命館大学, 生命科学部, 助教 (60843977)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード酢酸菌 / 膜流動性 / モノ不飽和脂肪酸 / リゾホスファチジン酸アシル基転移酵素 / 低pHストレス / 酢酸ストレス
研究実績の概要

【リン脂質アシル鎖の構造が酢酸菌細胞膜の物性におよぼす影響の解析】
エタノール存在下 (酢酸発酵条件下) で Acetobacter pasteurianus SKU1108 にモノ不飽和脂肪酸 (MUFA) を添加すると、添加した MUFA は細胞膜を構成するリン脂質アシル鎖として元の構造を保ったまま取り込まれる。蛍光プローブであるピレンを用いて、膜流動性解析を行なったところ、ミリストレイン酸 (14:1) を添加して得られた菌体から調製したリポソームの方が何も添加せずに培養して得られた菌体由来のリポソームよりも高い流動性を示した。このことから、SKU1108 株は環境ストレスに応じてその膜流動性を変化させるために、外部に存在する MUFA を膜リン脂質アシル鎖として取り込むと考えられた。

【酢酸菌リゾホスファチジン酸アシル基転移酵素ホモログ遺伝子欠損株の表現型解析】
膜リン脂質アシル鎖組成形成に寄与するリゾホスファチジン酸アシル基転移酵素のホモログを SKU1108 株は 3 種類持つ (ApPlsC1-3)。このうち ApPlsC3 遺伝子欠損株 (ΔApPlsC3 株) の作製に成功し、その表現型を解析した。寒天プレート上でのコロニー形成能を指標に各種ストレス感受性を評価した結果、酢酸を添加して低 pH にした場合よりも、塩酸を添加して同一の pH にまで pH を下げた場合に、ΔApPlsC3 株が強い感受性を示した。このことから、ApPlsC3 は本菌における低 pH 耐性に寄与することが示唆された。また、高温環境や界面活性剤に対しても ΔApPlsC3 株が強い感受性を示したことから、ApPlsC3 の欠損によって、SKU1108 株の細胞膜構造が変化し、結果として不安定化していることが考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 酢酸菌由来リゾリン脂質アシル基転移酵素ホモログ群の生理機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      山口百萌花, 松井大亮, 若山守, 豊竹洋佑
    • 学会等名
      第24回極限環境生物学会年会

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公開日: 2024-12-25  

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